水俣病(みなまたびょう)とは、
どんな症状がある病気で、何が原因だったと言われているのか
簡単に説明いたします。
2013年10月には
「水銀に関する水俣条約」が批准される予定ですが
これは、今も苦しむ人たちを生みだした公害病である、
この水俣病が、名前の由来でもあります。
水俣病とは?症状や原因は
水俣病(みなまたびょう)とは、
1956年に熊本県水俣湾で発生した公害病のことです。
※公害とは
企業など人の活動で生じた自然環境への影響
(土壌汚染、騒音、大気汚染など)によって
人の健康や生活環境に被害を出す事です。
水俣病は、
- 第二水俣病(新潟県阿賀野川流域)
- イタイイタイ(富山県神通川流域)
- 四日市ぜんそく(三重県四日市市)
と合わせて、四大公害病と呼ぶことを
小学生の時に習ったのを覚えている人も多いのではないでしょうか。
水俣病の原因は、
工場排水として水俣湾に流れたメチル水銀です。
海にいた魚が水銀を取り込み、
それを大きな魚が食べるなどして、
魚の体内にメチル水銀が濃縮・蓄積されていくのですが、
その魚を人間が食べる事で、
メチル水銀による中毒を起こすのです。
その病気の症状は様々で、
- 意識障害
- 難聴、耳鳴り
- 手足のしびれ、ふるえ
- 視野狭窄(見える範囲が狭くなる)
- 言葉がはっきり伝えられない
など、主に人間の神経や脳に多大な影響を与えます。
その後に生まれる胎児にも影響がありました。
水俣病の問題は、健康被害だけではありません。
- 水俣病患者への差別(伝染らないのに、疎外されるなど)
- 被害隠し
- 水俣病患者への補償がスムーズに行き渡らない
- 原因が全く不明という訳でもないのに「証拠がない」として、
被害の広がりに対する行政の対策が遅れる
などの発生後の社会的な対応も
水俣病の問題の長期化と拡大を招くことになったのです。
水俣病の教訓は
環境省の国立水俣病研究センターが、
水俣病の教訓についてまとめています。
>>水俣病の悲劇を繰り返さないために-水俣病の経験から学ぶもの-
※考察と教訓については主に第5章・第6章
そこでは、教訓として
- 現場を直接みる事
- 健康を守ることが優先
- 原因の確からしさに応じた行政的決断を求める
- 企業には社会的責任がある
などが挙げられていますが、
気になったのは、次のフレーズです。
水俣病の発生は工業の発達と利便さの追求のため、
科学技術や化学物質の開発を続けてきた現代社会の構造そのものに
由来するものであった
直近の公害でいうと
2011年に、福島原発事故の放射能汚染と
水俣病との類似点を指摘する声がありますが、
引用フレーズの点においてもその通りだと思います。
水俣病の教訓を生かすべき事故のひとつだと思います。
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