「麦秋」とは、麦の穂が刈入れ時となった初夏の時期を意味しています。
ニュースなどでは、
・麦秋の季節を迎え、麦が黄金色に輝いています。
・麦秋到来、麦の収穫がピークに。
といった使い方をよく耳にしないでしょうか。
今回は、時期・読み方など、麦秋についてご紹介致します。
麦秋の時期に吹く風を「麦風」「麦の秋風」とも言います。
麦秋の読み方と時期
麦秋の読み方は「ばくしゅう」です。
「むぎあき」「むぎのあき」とも読みます。
“秋”という漢字が入っていますが、
麦秋がしめす季節は、初夏の時期。
麦は、だいたい5月下旬~6月初旬(初夏)に穂を黄金色に輝かせ、
収穫の時期を迎えます。
麦秋と呼ばれる初夏は、麦にとっての収穫の「秋」であるというわけですね。
・麦秋や何におどろく屋ねの鶏(与謝蕪村)
・麦秋や葉書一枚野を流る(山口誓子)
「麦笛」(麦秋のころの遊び)や「麦刈」なども夏の季語です。
北海道だと7月下旬になるところもあるようですが、
5月から6月初旬の各地の地方ニュース等では、
コンバインで刈り取っている麦畑の映像と共に、
麦の収穫時期のピークを知らせる“麦秋到来”が報道されることもあるでしょう。
七十二候(しちじゅうにこう)という72つの季節の呼び方があります。
七十二候は、それぞれの季節の出来事や、
旬のものをそのまま季節の名前にしているものが多いですが、
その七十二候の中のひとつに「麦秋至」(ばくしゅういたる)
という名前の季節もありました。
「麦秋至」は、5月31日~6月4日頃を差します。
麦秋いろいろ
麦秋といえば、
小津安二郎監督の有名な映画のタイトルであると
思い出す方もいると思います。
「紀子三部作」(晩春、麦秋、東京物語)のひとつで、
この場合の読み方は、「ばくしゅう」です。
富良野市(北海道)には、
「cafe 麦秋」(ばくしゅう)という大人気のレストランがあるそう。
競馬では、
初夏に麦秋ステークス(ばくしゅう・2013年は6月1日)という
名前のレースも行われます。
爽やかな初夏の陽気に、麦の穂が実る様子を思い出させる、
とっても素敵な名前ですね。
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