「ごまめ」というと、
おせち料理のひと品である田作り(小魚の佃煮)を思い浮かべる方が多いかと思いますが、
調べると、「ごまめ」には
他にもいくつか意味があったので紹介いたします。
ごまめの意味
食材をさす
まず、ひとつめですが、
ごまめとは、食材の意味で
カタクチイワシ(幼魚、稚魚)を干したものをさします。
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イワシを田んぼの肥料として使ったところ
五万俵もの米が穫れて大豊作だったことから、
ごまめを「五万米」と書くこともあり、
乾燥カタクチイワシである「ごまめ」は
おせち料理のように調理していなくても田作(田作り、たづくり、たつくり)
ということもあります。
料理名をさす
ごまめは、
乾燥カタクチイワシをいって(熱して)、
しょうゆ、みりん、砂糖などで煮詰めた料理をさすこともあります。
こちらも、またの名は、田作り(読み方:たづくり、たつくり)です。
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豊作を願って作られる縁起物であり、
おせち料理の祝い肴三種のひとつとして有名ですね。
※祝い肴三種は、黒豆、数の子、ごまめです。
もちろん、ふだんのおかずとして登場させることもあります。
作るときは、ごまめが焦げやすいので、
ごまめには弱火でじっくり火を通すのがコツ。
最近は、ローストアーモンドを入れて
風味豊かな田作りに仕上げているレシピも見かけます。
半人前の子供や、力のないものをさす
大阪弁では、「半人前の子供、大目に見られる子」という
意味を持つことがあります。
兄が、まだ小さい弟を連れて友達と遊ぶときに、
まだ力の弱い弟は、遊びのルールから除外される扱いになるとき
その弟は「ごまめ」と呼ばれるようです。
詳しくは >> ごまめ(大阪弁)Weblio 辞書
また、
ごまめ(=弱くて小さい魚)という言葉が、人をさす慣用句もあります。
・ごまめのととまじり
つまらない者が立派な人の中にまじって一人前の顔をしていること。
(小者がふさわしくない地位にいることのたとえ)
・ごまめの歯ぎしり
力の弱い者が、いたずらにかっとなり、悔しがること
(実力のない者が、いくら批判をしたところで何も変わらないことのたとえ)
ちなみに、ごまめではなく、
鰯(いわし)を含む慣用句もあるかな、と思って調べたら、
・鰯の頭も信心から
(いわしの頭のようなつまらないものでも信じる心があれば尊いものになる
かたくなに信じる人を揶揄するときなどにも使う)
・鰯で精進落ち
(やっと開ける宴にいつでも食べられるイワシを出すこと
努力がつまらないことで無駄になること、報われないことのたとえ)
・鰯網で鯨とる
(思いがけない幸運を得ること)
などがありました。
昔はたくさん穫れてより身近な魚だったんだな思います。
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